Snow Drop~天国からの手紙~(下)【実話】
足元に落とした鞄を持ち上げると同時に何かに導かれる様に、足が動きだした。
…ドクン…ドクン…
車に近付く度に心臓の高鳴りが増した。
ふわっ……
夏から秋へと、季節が変わる頃の切なくて、優しい風があこのほっぺをゆっくりと撫でて通り過ぎて行った。
ガチャ………
見覚えのある真っ黒な車から人が出てきた。
右足…
左足…
タボダボのジーンズに、履きなれた白のスニーカーが見えた。
ドク……ン。
ゆっくりと車から現れた人は、相変わらず優しい笑顔をしていた。
『う…そ…でしょっ…ッッ…』
その優しい笑顔をずっと見ていたいのに、涙でにじんでしまった。
「あーこーっ!」
そこには…
毎日、毎日、願い続けた大好きな人の笑顔が弱々しいながらも咲いていた。
『…あっ…ちゃ…』
夢じゃないよね??
これは…幻なんかじゃないよね?
どうして、ここに居るの??
病院は…?
近くに寄って行きたいけれど、行けない。
涙でにじんで見えるあっちゃんは今にも消えてしまいそうで…
怖かったから。
一歩足を踏み出した瞬間、車ごと消えちゃいそうだから…
だから、動かずに、ただ、大好きな人を見つめ続けた。
「あこー?
泣き虫なあこー!
こっちおいでー?」
パタ…パタ…
溢れ出る涙が頬を伝って地面に落ちた。
夢か、現実か。
あっちゃんが、手招きをしている。
…ドクン…ドクン…
車に近付く度に心臓の高鳴りが増した。
ふわっ……
夏から秋へと、季節が変わる頃の切なくて、優しい風があこのほっぺをゆっくりと撫でて通り過ぎて行った。
ガチャ………
見覚えのある真っ黒な車から人が出てきた。
右足…
左足…
タボダボのジーンズに、履きなれた白のスニーカーが見えた。
ドク……ン。
ゆっくりと車から現れた人は、相変わらず優しい笑顔をしていた。
『う…そ…でしょっ…ッッ…』
その優しい笑顔をずっと見ていたいのに、涙でにじんでしまった。
「あーこーっ!」
そこには…
毎日、毎日、願い続けた大好きな人の笑顔が弱々しいながらも咲いていた。
『…あっ…ちゃ…』
夢じゃないよね??
これは…幻なんかじゃないよね?
どうして、ここに居るの??
病院は…?
近くに寄って行きたいけれど、行けない。
涙でにじんで見えるあっちゃんは今にも消えてしまいそうで…
怖かったから。
一歩足を踏み出した瞬間、車ごと消えちゃいそうだから…
だから、動かずに、ただ、大好きな人を見つめ続けた。
「あこー?
泣き虫なあこー!
こっちおいでー?」
パタ…パタ…
溢れ出る涙が頬を伝って地面に落ちた。
夢か、現実か。
あっちゃんが、手招きをしている。