「はぁ、はぁ、遅かったか。」
学校に着くとすでに門が閉まっていた。しかし、タカシがすぐそこの大きな時計を見ると、遅刻になるにはまだ10分も早いことに気がついた。
「なんだよ、間に合ってんじゃん。」
タカシはそう言うと門を飛び越えようと、上を見ました。
「なぁトシ、あんなんだったっけ」
そう言われて見上げて見てみると、門の上には槍のような尖ったものがいくつも刺さっていました。
「あっ、丸山だ。」ちょうど良いところに担任の丸山先生がげた箱の方から歩いてきます。
「丸山先生!まるやませんせい!開けてよ先生!」
トシが何度か叫ぶと気がついた先生が近寄ってきて言いました。
「自分の鍵で開けなさい。」
丸山先生はいつもとはどこか違った様子だ。
「門の鍵なんて持ってないんだけど…。」
トシも何のことだか、さっぱり分からなかった。
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