シン
目撃
無表情のメガネと外で会うようになってからも……、
アタシは相変わらず色んな男と寝た。
ただのセフレもいたし、金づるもいた。
用途によって都合よく使い分けてた。
自分の中にあるポッカリと空いた穴を埋めるかのごとく…、
毎日毎日誰かを求めた………。
でもそんなもので、埋まるわけもなく…………。
アタシの心はどんどん荒んでいった。
壊れる寸前まできてたんだ。
でも、同時にそれはすごく心地よくて…
自分が壊れていくのを、じっくりと外から眺めていたかった。
(アタシの中には一体何が残ってるんだろう?)
(『芯』・『信念』そんなものがアタシの中にあったらわらっちゃうよぉ……)
そんなことをいつも考えてた…。
でも………
あってもいいなって思ってたのも事実。
……ある日、いつものように真っ昼間から、ラブホに入って行こうとすると、遠くで見覚えのある人が…………。
アタシはオヤジと手を組むのを止めて、歩く足も止めた。
………っ!!!!!
……遠くで見覚えがあったのは、無表情のメガネだった…。