シン
そんな空気に耐えられなくなったアタシは、自分のことを執拗にペラペラ話し始めた………。
『決して誰にも本音は話さない』
そんな頑ななアタシの決意を、いとも簡単に自分で破った。
カウンセリングでさえ、絶対に話さなかったこと………。
色んな男と意味もなく寝てること。
それが母親への復讐でもあること。
医者という人種が大嫌いなこと。
だから無表情なメガネにも本当の事を話してないこと。
小さい頃から心にポッカリ穴があいてること。
それが今にも裂けてしまいそうなこと………。
………洗いざらい全部ぶちまけた。
『……………………知ってたよ……。』
無表情なメガネでそう一言いった。
アタシが支離滅裂になりながらも、何分かかけて自分の本音を話したのに……、
初めて自分以外の誰かに打ち明けたのに………。
返事はその一言だけだった。
そして…
『君が苦しんでいること、君がどうしていいか分からずにもがいていること。
………全部気づいていたよ。』