シン
………でも、全部知った上で、あの他愛もない話しをして、
毎週1時間もムダなカウンセリングをしてたってわけ??
じゃあアタシはもう半年以上もムダな時間を過ごしてたわけだ………。
色々疑問をぶつけたかった。
『何でもっと深く突っ込んだ話しをしてくれなかったの?』
『何で見て見ぬふりをしたんだよ?』
『何で……助けてくれなかったの??』
『何で…何で……』
そう疑問をぶつける勇気がないアタシは…、
人と対等にぶつかり合うことのできない臆病なアタシは…、
一番卑怯なことをした………。
『………先生だって、あんなババアと軽く寝てるじゃん。
もしかして医者の他に出張ホストでもしてるんじゃないの??』
そう言った後、何とも言えない感情が沸き上げてくる…。
そして…、すごく後悔した。
冗談まじりで言ったつもりが、
自分の笑顔がひきつってるのがあからさまに分かった。