シン
毎週木曜日のカウンセリングは…………
相変わらず通ってる。
あの日以来………、
アタシ達の距離は縮まった気がした。
いや、そう感じてたのはアタシだけかもしれない。
そうじゃなければ、
アタシは無表情なメガネの小さな変化にも気づいていたはずだから……。
『もう、君にはカウンセリングは必要ないよ。』
ある日、穏やかな口調で、無表情なメガネは言ったんだ。
アタシは無性に寂しくなった…。
カウンセリングが始まってちょうど1年が過ぎようとしていた………。
『……先生は大丈夫なの??』
つい口をついてでた一言だった。
『……僕は大丈夫だよ。』
軽く笑ってみせる。