Dear



「こんにちは、有紗先輩。」


「し…心太!?」



そこに立っていたのは幼馴染の神谷心太だった。


小さいころから家が近所で一緒に遊んでいたけど、最近あまり会う機会がなかったのだ。


心太は中学3年生でこの高校を受ける気らしい。

だから自称未来の後輩。


「へぇ…未来の後輩・・・ねえ?」


「言っときますけど・・・有紗先輩より頭いいと思いますよ?」


「そんな先輩なんてやめてよ~」


「キモいですよ」


「何?最近反抗期なわけ?」


「別に…」


心太は顔立ちはまぁまぁだけど勉強できて運動もできて何でもできる自慢の弟的存在だ。



「そういえば…何の用なの?」


「あぁ…貸してたゲーム…返して。」


「・・・・・それだけ?」


「あと学校見たかったし・・・」


「家にあるから…家よってってー」


「う…ん」


その時の心太の表情は

今までに見たことないような表情で…

すごく嬉しそうで・・・

でも何か恥ずかしがってて…?

このときの私にはよくわからなかった。
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