僕は家族でした。
 
 着実にお別れの時は近付いていた……。


 僕がこの世を去る何ヶ月か前、マコちゃんの前で嘔吐してしまい、倒れてしまったんだ。


「アイちゃん!! マイキの様子、おかしい!! はよ出てきて!!」


 アイちゃんは慌ててお風呂から出て来た。


「マイキは!?」


 僕はお座りをしていた。悪い事をしたと思ったから……。


「吐いて、フラフラして、いまそこに居てる……」


「マイキ、大丈夫?」


 アイちゃんとマコちゃんは心配そうに僕を見ていた。


(マコちゃんの前では死ねない……)


 僕は思った。だってマコちゃんは、一代目のマイキが咬まれた所を、目の前で見ていたから……。


 だからなのかな? 僕の事を余り見なかったのは……。


 ――……いや、見ない振りをして見ていてくれたのを僕は知っている。


 だから僕はまだ死ねない……。
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