僕は家族でした。
 
 それは、月曜日の深夜に起こった。


 その日の帰り道、


「何かマイキ、調子悪く無い?」


 ユキちゃんが僕を見て言った。


「そうかな? マイキおいで!」


 アイちゃんに呼ばれて僕は走って駆け寄った。


「大丈夫そうやけどなぁ」


「気のせいやったらいいねんけどな」


 ユキちゃんは鋭かった。僕の死期が近付いている事に気が付いた様だった。


 その日の晩ご飯は残してしまった。大好きなお肉でさえも、食べる気にはならなかった……。


 ……しんどいなぁ……。


(お母さん、僕を抱いてくれないかなぁ。でもお母さんもしんどいって言ってるし……)


 僕はお母さんの横でお座りをした。けれど、お母さんは抱いてはくれなかった……。
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