僕は家族でした。
 
 僕はやっと解放された。


「マイキ、そんな所で寝てたら風邪ひくで」


 お風呂から出たアイちゃんが僕の体を揺すった。


「マイキ? どうしたん? ――!? マイキ!? マイキっ!! お母さんっ!! マイキがおかしい!!」


「えっ!?」


「マイキ!! マイキっ!! ――マイキ息してないっ!!」


 それからは大変だった。


 家族みんなが必死に僕を呼びかけて……。


「マイキ!! マイキっ!!」


 みんな泣いてた……。


 みんな悔やんでた……。


 ごめんね、悲しい思いをさせてしまって……。


 でも、泣かないで……。


 僕は幸せだったんだよ。


 家族になれて嬉しかったんだよ。


 楽しかったんだよ。


 だから、もう泣かないで……。


 僕は天国に逝ってもみんなの事、見てるよ。


 だからみんな、


 ありがとう……。
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