逆×LOVE
「美咲、まずそのマスクとれ。」
「えぇ~…」
「良いから!」
先ほどまでしていた準備運動を終えたらしい慎也の指示(というよりは命令)に、美咲はしぶしぶ従った。
少しピンク色に着色されたマスクをとると、美咲はそれを鞄にしまう。
慎也も美咲同様、マスクを外して鞄にしまっている。
「それからサングラスもとれ。」
「でも慎也ぁ、それだとぉ……」
「俺もとるから!」
(これってまさかぁ…)
とてつもなく嫌な方向に進んでいっているような…。
美咲はこの後に起こりえる最悪の状況を想像したが、幾ら何でもそれはないよねぇと心の中で首を振ると、自分の横でマスクに続きサングラスをとる慎也を横目に美咲もまたしぶしぶサングラスに手をかけた。
ゆっくり、ゆっくり、サングラスを外していく。
(痛いぃ…)
慎也からの視線が痛い。
そして美咲がサングラスをとり、鞄に入れたのを慎也が確認した瞬間。
「っ!!?」
突然美咲は腕を強く引っ張っられた。