「 」の法廷
自宅兼会社【原田車庫】。ボロ屋の我が家には今でもおじーちゃん手作りの看板が車庫にくくりつけられている。
昔は何の仕事をしているか詳しくわからなかったけれど、
今になれば少しだけわかる。恐らく廃品回収なんかで生計を立てていたおじーちゃん。
学校で仲間外れにされると可哀想だからと、一緒懸命働いて……たのかは微妙だけど。
毎日神棚の上や車庫中に貼り付けてある【8】の字を拝んでいた。
そのおじーちゃんが──これがおかしなことその三。両親と同じくおじーちゃんも突然失踪した。
この時はちょっとした騒ぎになったのだけれど、結局それは。今までのことすべては私が勝手に考えた妄想。二次世界のものだと言われた。
私のそんなおかしなスキルが発覚したのは見かねたお隣さん、武川さんに連れられ病院に行った時だ。
この子は昔から知っている子なので心配で。
先生よろしくお願いします。
おじーさんと暮らしていたと、そのおじーさんが居なくなったと。
だけどこの子は、
医学的にも戸籍的にも私は天涯孤独のみなしご、だそうだ。