「 」の法廷
受け入れられるはずがないっ!
「…………」
どう考えても普通じゃないし、おかしいわけで。
けれど答えは見つからないまま、一晩過ぎてしまった。
こんなに胸くそ悪い朝を私は迎えたことがない。
学校行きたくないなあーなどと思いながらも、
朝起きてご飯食べて行ってきまーすの一行程は義務教育九年間と高校の現在に続く生活の中でしっかりきっちり根付いているようで。
拒否する体に洗脳去れ尽くした理性が、または架空のお父さんお母さんおじーちゃんの声(が聴こえるような気がしただけ)に「行きなさい!」と押される形で、
私はしぶしぶ靴を履く。
ふと見上げれば、靴箱のその上にべったり貼られてある模様が目に付いた。
8、の字のような模様。
何の意味を持つかは不明。
おじーちゃんが大事にして拝んでいたそれ。
何だか不気味だったので何度か剥がそうと考えたんだけど──結局、そのままにしていたそれ。
「…………」
こんなおかしな事が多発している今だ。心機一転、ひっぺがすのもありかもしんない。
そんなことを思いながら。
今日は何も起きませんよーにっ、と強く強く願って私は玄関を飛び出した。