「 」の法廷



 保健室の先生はいなく、それに軽く舌打ちして私をベットまで誘導した。




「取り敢えず、ちょっとでも休んどけば幾らか落ち着くだろ?」




 落ち着けるはずがない。

 と言おうにも気力は全然戻ってなくて、仕方ないから頷いて見せた。


 黒田太陽はちょっと安心顔をして、それから保健室の先生を探してくると、席を立つ。



 扉に手をかけたところで黒田太陽は一度振り向き、


「もう限界だよな」




 引っかかりのある言葉を残して去って行った。



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