「 」の法廷
「もうやめてよね。こっちに飛び火するんだから」
「ごめん」
「あの子興奮すると昔っから変な妄想癖発動させるから、聞いてるこっちが大変なんだよ」
「わかってるよ。でも、そこがまた、いいんだ」
「公衆の場でノロケはやめてくださいー」
「無理だと思うけど出来るだけ努力はするよ」
とか。
完全置いてけぼりをくらう私。
そして仲良さげに会話する夕ちゃんと謎の美少年。
じゃあねと一度こっちを向いて夕ちゃんは手を振って屋上から退散する。
カンカンと。
階段を下る音が遠ざかってから、王子様(以後略)は私に歩み寄ってきた。