「 」の法廷
「何か用ですか?」
警戒心剥き出しでそう言うと、彼はちょっぴり悲しそうな顔をした。
うう゛。
何か何でも絵になる人である。
「用って、謝りに」
「何が」
謝られるようなことに巻き込まれた記憶もなければ、こんな美少年と関わりを持ったこともない。
てか、
「誰?」
「誰って。……それはちょっと傷つくなあ」
ぽりぽりと頬を掻いて困った顔をする。どちらかといえば、困っているのは私の方だ。
辛抱強く待っていると謎の王子様は観念したように、
「黒田太陽」
と名乗り、
「お前の彼氏だよ」
などなど言いやがった。
ふーん。
て、
えええええええ!?