幼なじみの執事
突然の怒り
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「おめでとう」
「ありがと」
カジュアルなイタリアンレストランの予約席は、奥の方で個室っぽくなってて、とても静かだった。
「行きたい大学に行けて良かったね」
車で来たから飲めない春日部さんは炭酸水のグラスを片手に、嬉しそうに微笑んだ。
「やっと解放される。しばらく勉強したくないよ」
「ハハハッ、大学行くまではゆっくりしなよ。
葵衣ちゃんの行きたいとこ、僕がどこへでも連れてってあげる」
「うん」
時間が経つのは思ったよりも早くて、あっという間に年を越し受験を迎え、その合格発表が昨日だった。