幼なじみの執事
車から降りて絢斗を見ると表情は険しく、どこか思い詰めた顔をしていた。
「どうしたの…?」
近づいていったあたしの横を、スッと通りすぎていった絢斗。
「ちょっと、絢斗?!」
すると絢斗は、運転席にいる春日部さんに声を掛けた。
「春日部さんですよね?少しお話したいんで、車から降りていただいていいですか?」
丁寧に話す口調とは裏腹に、低音の怒りを帯びた声。
いったい何が起こってるのか訳が分からず、あたしも車に駆け寄った。
「僕に話って?」
眉をひそめ尋ねる春日部さんに、あたしは焦って間に割って入った。