幼なじみの執事
「どうして?!分かってんだろ?坂城グループがバックについてなきゃ、君なんて相手にしないって」
めんどくさそうに、髪をかき上げながら言った。
「全部…全部がウソだったの?あたしのこと、あんなに大切に…」
「人間さ、金のためなら芝居もするよ。さすがにイイ人すぎて疲れたけど」
記憶が次々とよみがえるけど、それはどれもこれも優しい春日部さんで
さっきから彼が話すことを、どうしても受け止めることが出来ずにいた。
「バレたときのこと考えて、先手打っておいて良かったよ」
口角を片方だけ上げたいやらしい笑みを向けながら、茫然自失になってるあたしの顔をもう一度覗き込んだ。