幼なじみの執事
「さすがに罪悪感があるんだ?」
あたしの言葉に、春日部さんはフッと鼻で笑った。
「違うよ、知り合いが去年会社立ち上げてさ。
そこがここ最近スゲェ利益上げてて、人が足りないって誘われてたんだよ。今より出すってさ、給料」
「やっぱり…お金……?」
「別に軽蔑されても構わないよ。君みたいに何の苦労も知らない子供には、分かんないだろうけど」
何かたくさん言ってやりたいのに言葉にならなくて、身体中の血が逆流して悔し涙がにじんでくる。
「あたしを騙して…どうするつもりだったの?」
そう尋ねた瞬間、堪えきれなかった涙が頬を伝った。