幼なじみの執事
「あぁ、それもある。
こないだ言われた通り……オレは葵衣をそういう風に見てたよ」
鋭い絢斗の視線があたしに突き刺さり、見つめ返すとそのまま動けなくなる。
「仕方ないだろ?
会ったときから葵衣は、オレが想像したこともない広い家に住んでて……格差を感じないわけがなかった」
絢斗……
「でもな、アイツみたいに思ったことはない。
オレの場合は…逆に葵衣がここの娘じゃなかったらって……」
「え…?」
下唇をキュッと噛んだ絢斗は、瞳をサッと逸らしてしまった。