幼なじみの執事
「お願い!しばらくそのままで…あたしの気持ち……聞いて」
必死に力を込めて抱きつくあたし。
すると、絢斗の力がスッと抜けていった。
「もう会えなくなるなら、言うだけ言わせて……
あたし…絢斗がずっと好きだった……ううん、今でも好き」
少し身体を離して絢斗の背中を見つめてみても、何も反応がなくて……
それでも、あたしは続けた。
「絢斗が執事になるって言い出して、彼女まで出来て…諦めなくちゃって、春日部さんとつき合い始めたけど……
結局、ただ絢斗への想いが強くなるばかりだったの」
あたしは絢斗から身体を完全に離し、一歩後ろに下がった。