幼なじみの執事
「好きだ……葵衣のことが好きなんだ…」
信じられないような言葉があたしの耳に届いて
更に、絢斗があたしを抱きしめる力が強まった。
「う…そ……?だって絢斗には千嘉さんが…」
「もう別れたし…そういうんじゃなかった」
そういうんじゃないって……?
聞こうとしたら、絢斗があたしから少し身体を離して潤んだ瞳をこっちに向けた。
「執事になったのも、千嘉とつき合ったのも……葵衣を諦めるためだったから」
あたしを…諦める……?