幼なじみの執事
「本日は何をお飲みになりますか?」
「ミルクティー」
「かしこまりました」
慣れた手つきで、あたしの前に数々の料理を並べる。
スクランブルエッグにクロワッサン……温野菜のサラダにフルーツの盛り合わせ。
残すの分かってんのに、何でいつもこんなに作るの?
そう思いながら、乱暴にクロワッサンをちぎって食べ始める。
しばらく経つと、あたし好みの甘めのミルクティーが運ばれてくる。
「絢斗、もう下がっていいから」
「はい、かしこまりました。失礼いたします」
大きな背を綺麗な角度に曲げ、お辞儀をしてあたしの元を去るアイツ。
神影 絢斗(みかげ あやと)
2歳年上のあたしの幼なじみで
あたし専属の……
───執事