幼なじみの執事
光ったと思ったら、ゴロゴロという音の繰り返し。
もぉ、カミナリ鳴り止んでよ…
バスルームから出てパジャマを着て、首にタオルを巻いたまま2階の部屋へ向かおうと、廊下へ足を一歩踏み出したときだった。
大きな光を捉えたと思った瞬間ドーンというすごい音が部屋に響き、家が揺れた。
「キャッ」
耳を塞ぎ目をつむってしゃがんでると、バチッと音がして辺りが真っ暗になった。
うそ……停電?!
光が全くない事が、とてつもなく恐怖心をあおる。
唯一思いつく光はケータイだけど、2階だし……
壁づてになんとか階段にたどり着いた。
階段をおそるおそる昇ってると、また大きなカミナリが落ちた。
ヤだよ……誰か…
階段でしゃがみ込んで動けないでいると、鍵をガチャガチャと開ける音がした。
「葵衣様?葵衣様、大丈夫ですか?」
絢斗の声に安心して、フッと力が抜けた。