幼なじみの執事
「とりあえず、これを…」
絢斗が、持ってきたロウソクに火をつけた。
柔らかい光が2人を包む。
「絢斗も座って」
「はい、では失礼いたします」
少しの距離をとって、隣に絢斗が腰を下ろした。
なにか話さなくちゃ…
沈黙に耐えられないよ。
「さっき、すごいカミナリだったね」
「ええ。葵衣様はカミナリがお嫌いですから、心配いたしました」
「あたし、昔からホントに嫌いだもんね」
「小さい頃、カミナリでいつも泣かれてましたから」
「泣いてないよ!」
「泣いてましたよ」
2人の視線がぶつかって、お互いにプッと吹き出した。
こんな風に昔の話したりするの、すごく嬉しい。
反面、切なさが増していく……