幼なじみの執事
運命の波
あの日を境に、あたしは絢斗に対して心を閉ざしてしまった。
いわゆる自己防衛かもしれない……
千嘉さんのことを考えて絢斗に接してると、辛くて苦しくて……醜くなる。
その潤んだ瞳があの人を見つめるの?
その手が千嘉さんに触れるの?
その声が唇が……
“好きだ”ってささやくの?
正直、気が狂いそうだった。
だから感情を殺して、楽になることを選んだ。
なによりも夏休みに入って絢斗に接する時間が長くなって、そうでもしないと心が壊れそうだったから……