幼なじみの執事


「葵衣さんは高校3年生ですよね?社長から聞いてます。進学先はもう決められてるんですか?」




「あの…春日部さんの方が年上なんで、敬語とかいいですよ?社長の娘とか気にしないで下さい」




「あっ…でも……はい。
……じゃなくて、じゃあ…うん」




さっきまでのスマートな振る舞いが崩れて、百面相のようにコロコロ変わる表情に笑いが込み上げた。





「ハハハッ…春日部さん、おかしすぎです。そんな挙動不審にならないで下さいよ」




「スミマセン……あっ、ゴメン」




パパの会社の人とこんなに笑いながら楽しく話すのは、初めてかも……



ホームパーティも悪くないな…なんて思ってみたり。




「じゃ、葵衣さんも敬語止めて。友達みたいに話してくれていいよ」




「うん。あと葵衣さんじゃなくて、せめて葵衣ちゃんで!老けた気持ちになっちゃう」



「ハハッ…分かったよ。なら葵衣ちゃんで」




思いっきり笑うと、可愛さがにじみ出て憎めない感じの人。




< 81 / 180 >

この作品をシェア

pagetop