幼なじみの執事
分からなくて
あれから春日部さんとは、何度もメールのやり取りを繰り返してた。
好きな映画に好きな音楽……面白いぐらいに似ていて、話してて楽しかった。
しばらくすると電話越しの彼は、不安げに言いづらそうにあたしに尋ねた。
『葵衣ちゃんを映画に誘いたいんだけど…ダメかな?』
「あたしを?ううん、ダメじゃないよ。行きたい」
『デートだと……思っていい?』
その言葉にドキリと胸が鳴り、身体が熱くなった。
春日部さんは、そういう対象として見てくれてたのかな……
6歳も下のあたしを。
「うん…」
『じゃ、あさって誘っても?』
結局日曜日に、駅前で待ち合わせることになった。