幼なじみの執事
「パパ、お帰り」
「旦那様、お帰りなさいませ」
「ただいま、葵衣。
絢斗はまだ仕事か?神影は帰したんだが…」
神影は、執事兼パパの秘書のような仕事もこなしている。
「さっきまで勉強してたから」
あたしが口を挟むと、パパが頷いた。
「あぁ、今日は家庭教師をしてくれてたのか」
紅茶を淹れていた手を、一度止めた絢斗。
「はい、もうすぐあがらせて頂きます。旦那様も何か飲まれますか?」
「あぁ、コーヒーを頼む」
「かしこまりました」
先にあたしの紅茶にレモンスライスを入れてる絢斗の手元をボーッと見てると、不意にパパが話しかけてきた。