幼なじみの執事
第4章 きみの影
届かない願い
「本当にゴメン…」
あれから春日部さんにメールや電話で何度か謝られたけど、10日ぶりに直接会うとやっぱり謝られてしまった。
「もう、いいよ。パパだって喜んでるし」
「こそこそしたくないって思ったら、突っ走っちゃって」
落ち込んでる様子を見るに見かねて、あたしは明るい声を出した。
「ママも会いたいから、今度家に連れてこいって言われちゃったし」
「ホント?うわぁ、緊張するなぁ」
そんな春日部さんを見て可愛いな…なんて思いながら、パスタを口に運んだ。
たあいもない話をして笑ってると、あっという間に時間が過ぎるのは……
きっと春日部さんと過ごす時間が楽しいからだよね?
心にそう問いかけてみるけど、答えは自分でもよく分からなかった。