男♂だから(~195pg)


…としてもさぁ


「ちょっと待って」

「ん?」


またキスしようと顔を近づいてきた佐野が

瞑ってた目を開き丸くなった目で見つめる。


んで止めるんだよぉ

と言う佐野の思いがそのまま読めちゃう。



でも、でもそれより

大事なもんあるっしょ?ね?



「ななのアイスは?」


いきなり思い浮かんだななのチョコアイス。


佐野の瞼がパチパチ。


「ねぇななのアイスどーしたのよ」


またパチパチ。


そしてななの追い詰めに

いきなり何か思い出したよう佐野が


「あぁ!」
と叫ぶ。


「あぁ?」


「落としちまった!」


「え?!」


横断道路の向こうに投げられた佐野の視線を追いかけてみたら


ななのチョコアイスが地面に落ちてたぁ!


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