End of the Love 【短】
「ふっ。
可愛い」


ふいに彼が私の耳元でそう囁いた


「え?」


「声必死に我慢してるでしょ?
何かすげぇ可愛い」


その言葉に一気に全身が熱くなる


「そんなこと…」




「……っ」


苦しそうに顔を歪める彼が
なぜか愛しくて
それと同時に

今までで一番彼を、遠くに感じる


「夕陽…」


聞こえるか聞こえないか
そんなかすかな言葉を彼が囁いたかと思うと
彼はかすかに痙攣し、動きを止めた


静かな教室に聞こえるのは
二人の息遣いだけ




彼は私の方をじっと見つめ
笑顔でこう言った






「夕陽…
大好きだよ…」




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