End of the Love 【短】
ふと頬に触れた冷たい手

ビクッと身体を震わせ後ろを振り向くと
そこには笑顔の彼がいた



「何してるの?
夕陽?」


おっとりとした彼の口調
少し酔ってるみたいだ


「こんなとこ来ちゃだめだよ。
早く戻って」


「どーしてぇ?」


「どーしてって…
今日は梨絵さんがいるじゃん」


「そっかぁ。
そーだよねー」


返事はするものの
あまり伝わっていない様子に少し苛ついた私は
思わず声を荒げてしまう


「そんなのんきに言ってないで早く戻ってよ!
ここで疑われたら私たち終わりだよ?」




思わず本心が漏れてしまった自分を恥じるように
そこから立ち去ろうとした瞬間

彼の腕が私の肩を強く掴んだ




< 17 / 42 >

この作品をシェア

pagetop