End of the Love 【短】

突然私の手を掴み
悪戯にほほ笑む彼


「…何？」


「いいから。
目つぶって」


言われた通り素直に目をつぶると
指に感じた違和感


「これ…？」


そこには小指に光るピンキーリング


「これ、夕陽は俺のものっていう印」


そう言ってニカッと笑う彼に
思わず涙が溢れてしまう


「泣かないでよ…
ほら。
俺もお揃いだから。
さすがにデザインまでは同じにできなかったけどさ…
これで俺らもう離れられないだろ？」




あなたに触れられた全てが熱くて
愛しくて

そっと離したら壊れてしまいそうなくらいもろいこの気持ち


「…ありがとう。
大事にするね」




この指輪は
今でも私の小指に光っている

あなたが私をあなたという場所に縛り付けた
揺るぎない証だから