End of the Love 【短】
「英人~。ごめん。
今日高校の友達とご飯行くことになっちゃって。
夜大丈夫?」


「あぁ、適当にどうにかするよ。
そんな気にすんなって」


英人に対して罪悪感を抱いていないわけではなかった
それでも
私はどうしたって彼を選んでしまう




いつものホテル
ロビーで待っていると
向こうから彼がやって来るのが分かった


「竜治!」


スーツを着ているせいだからなのか
大学の時より
少し大人びた雰囲気の彼


「久し振り。
最近お互い忙しくて全然会えなかったもんな」




彼の笑顔が
私の心を刺激する

私たちは部屋に入った途端
これまで会えなかった月日を埋めるかのように
お互いを激しく求めあった


あの頃となんら変わりのない関係

でもこれも、もう少ししたら“不倫”になるのか…なんて冷静に考える自分に苦笑する




抱きあいながら
そっと彼の耳元で囁いた


「結婚おめでとう」



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