End of the Love 【短】
その言葉だけで安心できる

私は
竜治のものだって
竜治だけのものだって


「そろそろ行かなくちゃ。
家でお姫様が一人で待ってるから」


そう言って笑う彼が
私に最後のキスをする


「今の独身最後のチューだからね」


ここが私たちのタイムリミット
まるでシンデレラになった気分


「おやすみ、竜治」


「おぉ。
結婚式絶対来いよな?」




パタンと閉まるドアと共に
広がる心の空虚感

これもあれから三年の月日が流れたせいか
大分慣れた方だと思う




決して手に入らないもの

私にとってそれこそが竜治だった


もはや手に入れたいものなのかも分からないくらい
変形してしまった私の心と身体


その事実が一層
私の胸をきつく締めつけた



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