End of the Love 【短】
おずおずと発した私の言葉に
予想外の反応を見せる彼


「夕陽昨日すごい飲んでたもんね~
そりゃ覚えてないか…。

じゃぁ朝びっくりしたでしょ?」


「…はい。
何が何だか分からなくって」




そう言って何とかこの場を乗り切りたい私は
せっせと帰る支度を始める


「そっかそっか。
じゃぁさ…」




いつの間にか私の目の前に座るトランクス一枚の彼
目のやり場に困る私は
赤い顔をしながらも平静を保とうと必死の努力をした


「夕陽…?
こっち向いて?」




ふいに聞こえた甘い声


分かってる
十分に分かってる

今そっちを向いてしまったら
彼の思う壺だってことは

分かってるのに

なぜか言うことを聞かない私の身体


顔を上げると
そこには妖艶な彼の表情があって



一瞬にして私を飲み込んだ





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