End of the Love 【短】
涙が零れ落ちたのと同時に
私たちは二人同時に果てた

荒い息遣いと
彼の体温


「結婚式前にこんないい運動するなんて、思ってもなかったよ」


そう言っていつも通り笑った彼は
何事もなかったかのように、身支度を始める




この結婚式に来る前から決めていたこと

-これで全部終わりにしよう―

最後に大好きな人に抱かれて幸せだったじゃない
何も後悔なんてする必要はない

私はこの五年間
幸せだった


幸せだったのに
そう心に言い聞かせるのに
どうしてこんなにも涙が溢れだすんだろう




「夕陽…?
夕陽は本当泣き虫だなぁ」


そう言って私を優しく抱きしめ
涙を拭くと

優しいキスを落とす彼




そしてまた耳元で囁くの
私の大好きな声で

愛しくて
掴みたくて
でも掴めないその声で




「夕陽…
大好きだよ」って




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