End of the Love 【短】
“千沙”という名を付けたのは
竜治だった

私が結婚した後
一度だけ電話で聞いた彼の声


「子供の名前がどうしても決められないの。
竜治決めてくれない?」


すると彼は昔のように笑って
私の質問に答える


「“千沙”なんてどう?」


「どうして?」


「別に…
何となくだよ」


「何となくって…
私の子供なんだから、ちゃんと責任持ってよね」


そう言って私が怒ると
彼は豪快に笑って冗談だよ、と言った

その時は私も笑ってやり過ごしたけれど
結局竜治が何となく決めたその名前を選んでしまったのは
私自身に他ならない






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