End of the Love 【短】
苛々のような
何だか分からないモヤモヤを抱えながら、莉子と一緒に教室を出ると

莉子が突然私の腕を強く握った


「痛い!
何?莉子?」


「ほら!
有岡さんと伸二さん。」




逃げ出す隙なんてなかった
あちらも私たちに気付いたようで
大きく手を振ってくる


どうしよう…


「今授業終わったん?
お疲れ~」


伸二さんと仲良さそうに話す莉子を尻目に
すっごく気まずい私は
下を向いて携帯をいじる


「あ!夕陽。
昨日のこと有岡さんに謝りなよ!」


「…え?」


「だぁかぁらぁ。
昨日すっごく迷惑かけたでしょ?
ほら…」


いつもなら喜んで謝るあたしも
今日だけはどうしていいか分からない


「いいよ、莉子ちゃん。
俺らが飲ませちゃったんだし。
別に送るくらいなんてことないし」




…は?
どの口が言ってんのよ

そんなことを心の中で叫んだけれど
決して口には出せない


「…すいませんでした」


小さな声でようやく謝った私に満足したのか
莉子はまた笑顔で伸二さんと話しを続ける

…たくっ
人の気も知らないで


軽く莉子を睨んでその場を立ち去ろうとした時だった


「夕陽」





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