End of the Love 【短】
サークル部屋に着いた時には
なぜか二人とも息切れが激しくて

何となく顔を見合せて笑ってしまう


「何で俺ら走ったんだっけ?」


「さぁ?」


しばらく笑い続けていると
突然彼に抱き締められた


「有岡…さん?」


「その呼び方やめて。
何か他人行儀っぽい。
竜治でいいよ」


心臓がどきどきして
今にも飛び出しそうだ


「竜治…?」


震える声でそっと耳元につぶやく


「あー!
俺なんかやばいかも」


「え?
何がですか?」


そう聞いた時には唇を塞がれていた
すぐに唇を割って入ってくる熱い舌


「……んっ……」




彼は片方の手で私を支え
もう片方の手で器用にワンピースのファスナーを下ろす

…え?
ここで?

さすがに焦った私は抵抗を試みた


「有岡さん…
さすがにここでは…」


「ほら。」


「え?」


「また“有岡さん”になってる。
これはお仕置きかなぁ…」


ニヤッと笑った彼の表情に
さっと鳥肌がたった

苦しくて
でも愛おしくて


私は簡単に引き戻されてしまう


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