チョコ★キス
ホントはね
「まーりーあーちゃん?」
「……」
時は流れて帰り道。
例のごとく一緒に帰る私と祐太だったけど、私はなんだか今日のことがあって悔しくて、シカトを決め込んでいた。
そんな私に、何を思ってるのか、祐太は笑顔で私の顔を覗き込んでくる。
「まりあ。こっち向いて?」
「…」
絶対向いてやんねーぞ。
そんなことを心の中で誓いつつ、私は祐太の方を見ないように、真っ直ぐ前を見据えて歩いていた。
すると。
「はぁ…」
いきなり、後ろの方からため息が聞こえてきた。
きっと、祐太が立ち止まったんだ。
反射的に自分も立ち止まってしまう。
ちょっと、自己中過ぎだったかな。
理由も何も言わないで、ただ無視して。
これじゃあ、何の解決にもならないのに。
私はそう改心して、後ろに振り返る。
すると。
「やっと、こっち向いたな」
いかにもしてやったり顔の祐太がいた。