チョコ★キス
「まりあ、全然俺の方向いてくれないしさー」
「…」
ニヤニヤ笑いながら言う祐太に心底腹が立った。
誰のせいだと思ってんのよ。
…アンタのせいなんだから!
「ばか」
「…え?」
「祐太のばか!だいっきらい!」
「は、まりあ!?」
私は今出る限りの大きな声で叫んで、そのまま家まで走った。
後ろから祐太の焦った声が聞こえてたけど、そんなの気にならないくらい必死だった。
なんで笑ってられんの!?
こっちは今日一日中ずっと、モヤモヤした気持ちで。
祐太が私の方なんて目もくれないで、他の女の子の世話焼いてるのずっと見てたのに。