チョコ★キス
ピーンポーン…
やっぱり。そりゃ、そうだよね。
家に帰って自分の部屋にこもって数分。
ふと我に返って考えると、家に逃げ込んだって祐太にはすぐに見つかってしまうんだ。
…私たちは幼なじみだったんだから。
玄関の方で、お母さんが快く祐太を迎え入れているのが、聞いて分かった。
もはや、袋のねずみ。私がばかでした。
「まりあ、入るよ」
「…」
そう一言断って私の部屋に入ってきた祐太は、目をそらしていたけれど息が切れていることが分かった。
走って、来てくれたんだね。
「悪かったよ、まりあ。まりあが何で怒ってるのか、ちゃんと俺分かってたのに、ちゃかしちゃって」
「ううん、」
目はまだ合わせられなかったけど、私は精一杯、首を横に振った。
「でも、」
「ん?」
一番聞きたいことを言うんだから、顔見なきゃ。
そう思って顔を上げて、声を振り絞る。
なんだか感極まって、泣きそう。
「なんで女の子たちから、あんなにチョコもらうの?」
「…っ」
私と目が合った瞬間、祐太は口に手を当て目を見開いた。