チョコ★キス
「ね、まりあ?」
少しうつむいて考え込んでいると、祐太が顔を覗き込んでくる。
「これ、俺にくれるの?」
「え…、な、いつの間に…!?」
そう言って祐太は、片手に私があげるはずだったチョコを持っていた。
そういえば、さっきの帰り道渡せなくてテーブルの上に置いたままだった…!
「そ、そうだけど…」
「じゃあ、ちょうだい?」
「いいよ、食べて?」
「そうじゃなくてさ、」
「え、…ひゃ!?」
するといきなり、腰に手が回されて祐太に抱き寄せられる形になった。
目の前には、祐太の顔。
少しでも動くと、キスしてしまいそうな至近距離。
祐太は私の腰に腕を回したまま、片手で器用に包みを開け、中から私が作ったトリュフチョコと取り出した。
そして、自分で食べるのかと思いきや。
「う、ん…」
私の口に一粒押し込んだ。