HANDS
雷音とタトゥー
「にゃあぁぁぁぁ~」
ん?にゃあ?
聞き慣れない鳴き声に目を覚ますと、知らない天井が見えた。
慌てて起き上がって辺りを見回す。
なんとなく、女の子の部屋でないことは分かる。
黒で統一されたインテリア。
壁に掛かる大量の服やキャップ――。
カーテンの隙間から眩しい陽射しが降り注いでいる。
あたしは、その部屋のベッドの上に居た。
咄嗟に、ヤられた!?と思って自分のカラダを確認する。
ちゃんと服は着てる。
ひとまず安心して、深呼吸をする。
ここ、ダレの部屋なんだろう。
見回しても、居るのは猫だけ。
「にゃー」
茶色いシマシマの猫が、擦り寄って来る。
とりあえず、昨日のことを思い出して――……