HANDS

搾り出すような声で、あたしを睨みつけてくる。

「…え……」


オトコに怒鳴られたことなんかなくて。
怖くて、声がちゃんと出てこない。


「俺んとこにズカズカ入って来て、好き勝手言いやがって…」

リュウが握り締めた拳が、わなわなと震えている。


もしかして、殴られる――?

後ずさりしようにも、カラダが動かない。



「くそっ!」

ドンッと音がして、壁が揺れた。


「ごめ……」

ヤバい、泣きそう。

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