HANDS
痛い代償
「最近どぉ?」
「何がー?」
ソファの背もたれにほとんどの体重を預けて、クリームが残ったパフェのグラスをぼんやり見つめた。
食べ過ぎた。
ハンバーグのあとにパフェはキツいな。
「恋とかぁ~?」
アイスに刺さっていたウエハースを手に、アイコが首を傾げながら言った。
あたしに可愛さアピールされても困る。
「恋、ねぇ……」
隣のテーブルでお子様ランチを食べている小さな女のコに目線を移した。
フォークをグーで握っている。
可愛いなぁ。
あたしもあの頃からやり直したい。
そのとき、ケータイが七色に光り出して、エレキギターの音が流れ始めた。