HANDS

表示された名前を見て溜め息をつく。


「何ー?どした?」

不機嫌なあたしの調子を窺うように、アイコが問いかけてくる。

「あー面倒臭い。

――もしもし?」

ソファにもたれたまま電話に出ると、ハイテンションなオトコの声が響いた。


『レナ?今何やってんの?

やっと金できたからさ。
これからドライブでも行かねぇ?』


「友達とゴハン中ー。
カズヤは今どこに居んの?」

なんでドライブなのかはよく分からないけど。
どうせこのあとアイコはデートだし。

あたしは暇になるから、行ってもいいかな。


「じゃあ、30分後に」

迎えに来てくれると言うので、それまでここで待つことにした。

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